3年ぶりに開幕したF1第18戦日本GP(鈴鹿サーキット)2日目、優勝への最短距離となるポールポジションを争う予選が行われ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がシャルル・ルクレール(フェラーリ)とカルロス・サインツ(フェラーリ)を僅差で抑えてポールポジションを獲得し、2022年ワールドチャンピオン獲得の可能性を高めた。
●【2022F1第18戦日本GP】予選Q1-Q2-Q3のタイム、周回数
フェルスタッペンは1分29秒304を記録し、ルクレールは0.010秒差、サインツは0.057秒差と超接戦のポールポジション争いだった。
しかし、スチュワードはQ3序盤にフェルスタッペンとランド・ノリス(マクラーレン)が起こした件について調査中だ。フェルスタッペンがスローラップの130R出口で左に飛び出した後、ノリスはスピードを上げたため回避行動を取らざるを得なかったのだ。
グリッドペナルティの可能性もあったが、その後スチュワードの調査でフェルスタッペンには「戒告処分」が決定され、グリッドペナルティは回避された。
4番手はセルジオ・ペレス(レッドブル)でフェラーリを追撃したい。
5番手にはエステバン・オコン(アルピーヌ)、7番手にはフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)が入り、アルピーヌ勢が好調だ。
6番手にはルイス・ハミルトン(メルセデス)、8番手にはジョージ・ラッセル(メルセデス)が入り、メルセデスF1勢はポイント獲得を狙う。
最後のF1日本GP予選に臨んだセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)は見事な走りでQ3へ進出、戦闘力の低いマシンにもかかわらず予選9番手を獲得した。
ベッテルは無線で「アリガトウゴザイマス、スズカ」と日本語で語り、観客に手を振りながら伝説のサーキットとファンに感謝を述べた。
フェルスタッペンと接触しそうになったノリスは、10番手に入った。
■Q1:ガスリーQ1敗退
3年ぶりのF1日本GP予選が始まった。
気温はFP3より3度下がって19度、路面温度は4度下がって26度、風速2.0m/hと秋晴れのドライコンディションだ。
昨日は一日中ウェットだったため、先ほどのフリー走行3回目の1時間のみでどこまで予選と決勝のセッティングを仕上げられるかが重要となり、難しい鈴鹿サーキットでは経験値が活きてくる。
予選Q1のトップタイムはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2番手はカルロス・サインツ(フェラーリ)、3番手はシャルル・ルクレール(フェラーリ)だった。4番手にはフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)がつけた。
初の母国GP予選に臨んだ角田裕毅(アルファタウリ)は12番手でQ2進出した。しかしアルピーヌへの移籍を発表したばかりのピエール・ガスリー(アルファタウリ)は、ターン11(ヘアピン)でタイヤをロックアップさせて白煙を上げ、17番手でQ1敗退となった。
【F1日本GP】予選Q1敗退
16 アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)
17 ピエール・ガスリー(アルファタウリ)
18 ケビン・マグヌッセン(ハース)
19 ランス・ストロール(アストンマーティン)
20 ニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)
■Q2:角田裕毅「ブレーキの問題」でQ2敗退
気温はQ1より1度上がって20度、路面温度は26度、風速3.9m/hと風が強くなった。
予選Q2のトップタイムはセルジオ・ペレス(レッドブル)、2番手はフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)、3番手はマックス・フェルスタッペン(レッドブル)だった。
初の母国GP予選に臨んでQ3進出を目標としていた角田裕毅は、「ブレーキ問題」を抱えたことで13番手でQ2敗退となった。予選後には「ブレーキの作動温度領域」に達しなかったことで、ブレーキの効きが悪かったということだ。これは想像以上に難しいようだ。
【F1日本GP】予選Q2敗退
11 ダニエル・リカルド(マクラーレン)
12 バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)
13 角田裕毅(アルファタウリ)
14 ジョウ・グァンユ(アルファロメオ)
15 ミック・シューマッハ(ハース)
■Q3:フェルスタッペン、フェラーリ勢を抑えてポールポジション
気温はQ2より1度下がって19度、路面温度はやはり1度下がって25度、風速2.7m/hでQ2よりやや風は落ち着いたもののQ1よりは風が強い。
予選Q3中にフェルスタッペンはランド・ノリス(マクラーレン)と接触しそうになった。この件について予選後スチュワードが調査を行うことになった。
フェルスタッペンとノリスは予選Q3でのアウトラップ中、ノリスがスピードを上げて接近してきた際、130R出口にいたフェルスタッペンは左側にスナップしてしまい接触しそうになった。
ノリスはイン側のグリーン上を走って回避せざるを得なかったが、フェルスタッペンはマシンを立て直し、セッションを続行した。そしてフェルスタッペンはポールポジションを獲得、ノリスは10位となっていた。
フェルスタッペンにはグリッドペナルティも予想されたが、予選後にスチュワードはフェルスタッペンに対して戒告処分を決定、グリッドペナルティは回避した。
最終アタックで、ルクレールとサインツはフェルスタッペンを追い抜く可能性もあったが、ルクレールは0.010秒、サインツは0.057秒届かず、ポールポジションはフェルスタッペンが獲得した。ペレスは0.405秒届かず4番手だった。
■ベッテル「アリガトウゴザイマス、スズカ」と日本語で感謝は自然に出てきた
最後のF1日本GP予選に臨んだセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)は見事な走りでQ3へ進出、戦闘力の低いマシンにもかかわらず予選9番手を獲得した。ベッテルは無線で「アリガトウゴザイマス、スズカ」と日本語で語り、観客に手を振りながら伝説のサーキットとファンに感謝を述べた。
これには多くの日本のファンが感動。予選後の前夜祭に登場したベッテルは「(無線でファンにメッセージを伝えようと)意識して言ったわけじゃないけど、日本のファンの想いは伝わってきて、ついつい出てきたんだ」と無意識で出てきた日本語だったと明かした。
■予選後インタビュー「鈴鹿に戻ってこられてうれしい」
予選後のインタビューでフェルスタッペンは「鈴鹿に戻ってこられてうれしい」と語った。
「特に燃料が少ないときの予選は、第1セクターでマシンが本当に生きてくるんだ。もちろんポールポジションはとてもうれしいし、ここに戻ってこれたことが本当にうれしい」
明日の決勝レースでは2年連続のチャンピオンを獲得するチャンスだ。天気予報はドライともウェットとも言われているが、どちらでも自信があるようだ。
「まず、天候がどうなるかが興味深い。ドライになるという話もあるし、レース中に雨が降るという話もある。僕たちはいいクルマを持っていると確信しているから、(明日が)楽しみだよ」。
3年ぶりのF1日本GP決勝レースは、日曜日14時にスタートする。
【F1日本GP】予選結果
1 M.フェルスタッペン(レッドブル)
2 C.ルクレール(フェラーリ)
3 C.サインツ(フェラーリ)
4 S.ペレス(レッドブル)
5 E.オコン(アルピーヌ)
6 L.ハミルトン(メルセデス)
7 F.アロンソ(アルピーヌ)
8 G.ラッセル(メルセデス)
9 S.ベッテル(アストンマーティン)
10 L.ノリス(マクラーレン)
11 D.リカルド(マクラーレン)
12 V.ボッタス(アルファロメオ)
13 角田裕毅(アルファタウリ)
14 G.ジョウ(アルファロメオ)
15 M.シューマッハ(ハース)
16 A.アルボン(ウィリアムズ)
17 P.ガスリー(アルファタウリ)
18 K.マグヌッセン(ハース)
19 L.ストロール(アストンマーティン)
20 N.ラティフィ(ウィリアムズ)