F1第15戦オランダGP(ザントフォールト・サーキット)決勝レースはタイヤ戦略を上手く駆使していたメルセデスが力強い走りを見せていたものの、終盤にセーフティカーが導入されるドラマが起こる中、母国の英雄マックス・フェルスタッペンがコース上でオーバーテイクして72周のレースで優勝した。凱旋レースのフェルスタッペンは2年連続のポール・トゥ・ウィン、4連勝、今季10勝目、ファステストラップの1ポイントも獲り、ホームグランプリを最高の形で締めくくった。
●【2022F1第15戦オランダGP】決勝レースのタイム差、周回数、ピット回数
ジョージ・ラッセル(メルセデス)とシャルル・ルクレール(フェラーリ)が表彰台を獲得した。
フェルスタッペンは48周目のバーチャルセーフティカー(VSC)中に2回目のピットストップを行い、勝利を確信したようだった。
■ハミルトンは優勝のチャンスを狙ったが・・・
2番手ハミルトン、3番手ラッセルはミディアムタイヤでの序盤のスティントを延長してハードタイヤに交換し、快調に走行していた。しかし、55周目のセーフティカー後の出来事で、ハミルトンの優勝の望みは絶たれた。
ハミルトンはミディアムで走り続け、61周目のリスタートでソフトタイヤを履いたフェルスタッペンがハミルトンをコース上でオーバーテイクしてトップに立つと、ラッセルとルクレールの若手もそれに続いてハミルトンを表彰台から引きずり下ろした。
■サインツは5秒ペナルティで降格の不運
ハミルトンは4位でチェッカーを受け、カルロス・サインツ(フェラーリ)とセルジオ・ペレス(レッドブル)がそれに続いてフィニッシュラインを通過した。
しかし、サインツはピットストップでアンセーフリリース(危険な行為)を行ったとして5秒のペナルティを科せられた。その結果、ペレスが5位、フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)が6位、ランド・ノリス(マクラーレン)が7位に繰り上がり、サインツは8位という結果になった。
エステバン・オコン(アルピーヌ)は9位でフィニッシュ。10位はランス・ストロール(アストンマーティン)でここまでがポイント圏内だ。
アルファタウリのピエール・ガスリーは11位、アレックス・アルボンは15番グリッドから12位でフィニッシュした。
セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)は19番グリッドから14位でフィニッシュ。ベッテルは、レース序盤に青旗を無視したため、5秒のペナルティを受けている。
ミック・シューマッハは2回もピットストップ時にタイムをロスして順位を落とし、14位でフィニッシュした。
ケビン・マグヌッセン(ハース)は2周目にバリアに当たったが、そのまま15位でゴールした。
ジョウ・グァンユ(アルファロメオ)はピットレーンスピード違反で5秒ペナルティを受けて16位、ダニエル・リカルド(マクラーレン)は集団の中で最初にピットインしたが、ポジションを上げることはできず、17位でフィニッシュした。
アルファロメオのバルテリ・ボッタスはホームストレートエンドでマシンがストップしたがリザルトは19位だった。この影響で56周目にセーフティカーが導入され、終盤のドラマに繋がった。
■角田裕毅は不運なリタイア
角田裕毅(アルファタウリ)は48周目にドライブシャフトの不具合を訴えてコース上でマシンを止めた。角田は直前のピットストップの前にタイヤが正しく装着されていないと訴えてコース脇にマシンを停めていたが、チームは問題ないと伝えて再走行させていた。
次は3連戦の最後の戦いとなるF1イタリアGPだ。フェラーリはホームグランプリで勝利を飾れるのか?フェルスタッペンはルクレールに109ポイントの差をつけて、自身2度目のワールドチャンピオンに向けて加速し、ライバルのボームGPモンツァに臨む。
●【2022年F1チャンピオンシップ・ランキング表】F1第15戦オランダGP終了後、ルクレールとペレスが同点!