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【F1イギリスGPレポート】サインツが激戦を制しポール・トゥ・ウィンで初優勝!大事故のジョウ・グァンユは無事

2022年07月04日(月)2:36 am

2022年F1第10戦イギリスGP(シルバーストーン)の予選は、開始数分前から雨が降り始め、コンディションは常に変化する難しい予選となり、全車インターミディエイト(緑)での走行となった。

●【2022F1第10戦イギリスGP】決勝レースのタイム差、周回数、ピット回数

■ジョウ・グァンユ、大クラッシュ!

1周目、スタート直後に大クラッシュが発生。ピエール・ガスリー(アルファタウリ)に接触されたジョージ・ラッセル(メルセデス)がバランスを崩して、ジョウ・グァンユ(アルファロメオ)の横に突っ込んだ。

突っ込まれたジョウ・グァンユは横転したままスライドし続け、逆さのままグラベルで数回跳ねるとタイヤバリア手前で回転して金網に激突。そのまま金網とタイヤバリアの間に落ちて、自力での脱出は不可能な状態だった。

レースはすぐに赤旗中断となった。

その後、救出されたジョウ・グァンユの無事は確認され、メディカルセンターに運ばれている。

■アルボン、角田裕毅、オコンもクラッシュ

また、ターン1手前の混乱の中、アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)は後ろのセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)に突っ込まれ、右側のピットウォールに激突。

跳ね返ってきたアルボンのマシンが角田裕毅(アルファタウリ)の前に出てきて、角田裕毅は何も出来ずクラッシュし、フロントノーズを失った。エステバン・オコン(アルピーヌ)もこの混乱に巻き込まれたようだ。

ターン1でマシンを止めたラッセルは自らマシンを降りて、その場から軽快に走りながら観客に手を振っており無事だ。

また、アルボンもターン1でマシンを止めて、メディカルセンターに運ばれているが、こちらも意識はあることが確認されている。

角田裕毅とオコンはなんとか自走してピットに戻り、赤旗中に許可されているピットレーン上での修復・変更を試み、どちらも無事に修復が終わりレース再開を待った。

■56分間の赤旗中断後、レース再開

レースコントロールは、日本時間23時56分にレース再開。約1時間のレース中断だった。

再スタートは1周目の順位ではなく、最初のスターティンググリッド順でスタンディングスタートになった。

最初のスタートではターン1でフェルスタッペンが前に出ていたが、レース再開後のスタートではサインツがターン1を制した。

■ペレスが接触で脱落

その後ろで3番手争いをしていたセルジオ・ペレス(レッドブル)とシャルル・ルクレール(フェラーリ)が軽く接触。弾かれたペレスはトップのサインツのリアに軽く接触して右フロントウィングのエンドプレートを失った。また、ペレスと接触したルクレールも同じく右フロントウィングのエンドプレートを失っている。

ペースが上がらないペレスはピットインしてフロントノーズを交換。ここでトップ争いから脱落した。一方、ルクレールのペースは良く、右フロントウィングのエンドプレートを失ったまま走行を続けた。

■サインツのミス、そしてフェルスタッペンにトラブル

9周目、トップのサインツがバランスを崩してコースオフ。すぐ後ろのフェルスタッペンはその横を楽に走り抜けトップに出た。

12周目、トップのフェルスタッペンが突然のスローダウン、どうやらリアに異変を感じているようだ。ペースが上がらないフェルスタッペンの横をサインツがストレートでやすやすと抜いていく。

フェルスタッペンはそのままピットインしてタイヤ交換をする。これでフェラーリがワンツー体制となった。

14周目、タイヤ交換したもののペースが上がらないフェルスタッペンは「リアがおかしい」、「100%壊れているよ」と訴えたが、ピットは「構造の問題ではないからそのまま続けよう」と伝えた。その後、フロアにダメージを受けて苦しんでいることがわかった。

一方、ペースが上がらないトップのサインツのすぐ後ろにルクレールがピッタリつけて、ルクレールは自分が速いことを訴えるが、フェラーリはチームオーダーを出さなかった。

■ハミルトンがトップへ

20周目、トップのサインツがピットイン。これでルクレール、ルイス・ハミルトン(メルセデス)、サインツの順となった。

25周目、ルクレールがピットイン。ここで母国の英雄ハミルトンがトップに立った。これでトップ3は、ハミルトン、サインツ、ルクレールの順だ。

30周目、ルクレールがDRSを使ってサインツを抜いて2番手に浮上。

33周目、トップのハミルトンがピットイン。これで順位はルクレール、サインツ、ハミルトンになった。

■セーフティカー!

38周目、オコンがフェルスタッペンを抜いて8番手に上がった。トラブルを抱えているフェルスタッペンのペースが上がらない。

ところが39周目、そのオコンが突然のスローダウン。トラブルが発生して、コース上にマシンを止めた。ここでセーフティカーが入った。

セーフティカー下で、サインツとハミルトンはソフトタイヤに交換。一方、トップのルクレールはハードタイヤのままステイアウトした。

■レース再開、サインツが悲願の初優勝に向けて加速

43周目、レースが再開するとソフトタイヤのサインツがルクレールをオーバーテイク!サインツは悲願の初優勝に向けて加速し、ファステストラップを叩き出しながら逃げる。

すぐ後ろではペレスがハミルトンをオーバーテイク!ペレスが3番手に上がった。

45周目の最終セクター、2番手のルクレールにペレスが仕掛けるがルクレールが守る。その間にハミルトンが2台とも抜いていき、観客席からは大歓声だ。

しかし、すぐにペレスがハミルトンのインをついて抜き、その直後のターンでルクレールもハミルトンを抜いていく。

これでトップはサインツ、2番手ペレス、3番手ルクレール、4番手ハミルトン、すぐ後ろにはアロンソとノリスがピッタリついて狙っている。

2番手に上がったペレスはここでペースを上げて、ルクレール以下を一気に引き離しにかかる。

■ハミルトン、ルクレールと激しい3位争い

47周目、4番手ハミルトンがルクレールに仕掛ける。シルバーストーンに強いハミルトンは地元で3位を獲りたい。

48周目、ルクレールとハミルトンが激しい攻防でオーバーテイク合戦。そしてハミルトンがこの白熱のバトルを制するとイギリスのファンは大歓声。

後ろのアロンソとノリスはついていくので精一杯で、このバトルに加わることはできない。

■シューマッハ、7位を狙って王者フェルスタッペンにアタック

49周目、画面は7位争いのフェルスタッペンとミック・シューマッハ(ハース)を映した。8番手のシューマッハはDRSを使いながら王者フェルスタッペンのすぐ後ろにつけチャンスを伺うが、手負いのマシンでも王者はそう簡単に抜かせない。シューマッハはワンチャンスを狙うしかない。

■サインツ、悲願の初優勝!

そして最終ラップの52周目、トップのカルロス・サインツはポール・トゥ・ウィンでF1初勝利を挙げた。エントリー回数は151戦目、しかし2020年のF1ベルギーGPは直前にトラブルが発生してスタートできなかったことから、記録上は決勝レース150戦目での初優勝となっている。

2位はペレス。一時は接触によるピットインでトップ争いから脱落したものの、セーフティカーなどの混乱したレースで上位争いに戻ってきた。ファン投票によるドライバー・オブ・ザ・デイにも選出されている。

3位は母国GPのハミルトンで、シルバーストーンでの13回目の表彰台を獲得した。これは単一開催地での歴代最高記録となった。また、最終ラップにはファステストラップを叩き出して1ポイント追加している。

4位はルクレール、5位アロンソ、6位はノリスだった。

7位にはフロアダメージでペースが上がらなかったフェルスタッペン。なんとか完走して6ポイントを積み重ねた。

8位にはシューマッハが嬉しい初入賞を果たした。そのシューマッハは最後にフェルスタッペンに並びオーバーテイクを試みたが、フェルスタッペンを抜くのは簡単ではなかった。

9位はセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)、10位はケビン・マグヌッセン(ハース)だった。

フロントに大きなダメージを受けていた角田裕毅は14位で完走。ピエール・ガスリー(アルファタウリ)を含む6台がリタイアとなった。

なお、最初にクラッシュした5人のドライバーは全員無事が確認されていて、大クラッシュで心配されたジョウ・グァンユも自分の足で歩いてF1関係者と会話しているのが映し出されている。

F1イギリスGPは激しいバトルが繰り広げられ大いに盛り上がったレースでもあったが、F1の安全対策がドライバーを守ってくれたレースであった。

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